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令和3年アジア競技大会調査特別委員会 本文 開催日: 2021-07-21
令和3年アジア競技大会調査特別委員会 名簿 開催日: 2021-07-21

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  1. 愛知県議会 2021-07-21
    令和3年アジア競技大会調査特別委員会 本文 開催日: 2021-07-21


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    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和3年アジア競技大会調査特別委員会 本文 2021-07-21 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 19 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  【松本参考人選択 2 :  【いなもと和仁委員選択 3 :  【松本参考人選択 4 :  【いなもと和仁委員選択 5 :  【松本参考人選択 6 :  【犬飼明佳委員選択 7 :  【松本参考人選択 8 :  【犬飼明佳委員選択 9 :  【松本参考人選択 10 :  【犬飼明佳委員選択 11 :  【水谷満信委員選択 12 :  【松本参考人選択 13 :  【水谷満信委員選択 14 :  【松本参考人選択 15 :  【アジア競技大会推進課長選択 16 :  【水谷満信委員選択 17 :  【アジア競技大会推進課長選択 18 :  【水谷満信委員選択 19 :  【アジア競技大会推進課長】 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 《参考人意見陳述》 【松本参考人】  御紹介あずかりました名城大学の松本です。  選手村後利用の交通まちづくりについてということで、この交通まちづくりという言葉は、多分聞き慣れない言葉と思っています。この意味は後ほど話しますが、交通まちづくりという変わった言葉もあることを、まずは理解してほしいと思っています。  本日は、基本構想の話と事業者から提案してもらっている内容を、委員に理解してもらおうと思っています。同時に、競馬場の跡地を含んだ港北エリアに関しまして、名古屋市でも構想を描いているので、その内容も紹介させてもらおうと思っています。  私は、都市・交通計画学専門ということもありまして、交通関係でいうと、愛知県、名古屋市、蒲郡市、岡崎市、豊田市、知多市、豊明市、日進市、みよし市、東郷町、あま市で公共交通計画の策定の手伝いをしています。それから、隣の岐阜県美濃加茂市、三重県津市、四日市市、亀山市、名張市等々でも手伝っています。四日市でいいますと、国の補助事業として駅前の再整備、バスターミナルの整備が大きなプロジェクトとして進んでいくというところで、ここでも手伝いをしています。それから静岡県でいうと、浜松市、小山町、それから、ローカル鉄道になりますが、三岐鉄道北勢線、養老鉄道なども手伝っています。さらに、都市計画や立地適正化計画等々も、名古屋市、岡崎市、豊田市、豊橋市、豊川市、日進市、長久手市、津島市、幸田町、三重県四日市市で手伝っています。  以上のような形で、学術界でのいろんな研究を、少しずつでも実務のほうに反映していただけるように貢献しているということです。  アジア競技大会の概要としては、4年に1度開催されるアジア最大のスポーツの祭典で、2026年の9月19日から10月4日の16日間で開催されるということが決まっているそうです。それから、選手団、選手とチーム、役員を含めて、約1万5,000人が参加するという大きなイベントになっています。1万5,000人というのはなかなか想像し難いと思っていますが、例えば、私の大学、名城大学の学生数が1万5,000人です。ただし、三つのキャンパスがあるので、三つのキャンパスに分かれて1万5,000人。それが、もっともアジア大会だからといって1か所に集まるわけではありませんが、それぐらいの人数が来日されるということになります。  パリオリンピックが2024年に開催されて、そこで中核28競技というのがあるそうですが、それらプラス五つの競技が、そのほかの競技として加わるということであります。どうも2年前までに確定されるとのことです。ホームページを見ますと幾つかは決まっているようです。  名古屋市瑞穂公園陸上競技場がメイン会場となりまして、宿泊施設として1万5,000人分の宿泊施設の提供が必要となっています。それから、競技場まで45分以内のアクセスが求められています。その宿泊施設ですが、競馬場跡地にメイン選手村をつくり、そして、選手村から離れた競技場もあるので、そこに関しては別施設を用意することになっています。そのほかに大会関係者に最低5,350室の宿泊施設も必要となっており、市内のホテル等々の活用になるのではないかと思っています。  アジア競技大会のスローガンは、「IMAGINE ONE ASIA ここで、ひとつに。」で、これがロゴマークです。ちなみに、このスローガンもロゴマークも勝手には使えず、今回、委員に見せたいということから、ロゴを管理しているところに申請しています。ですから、許可を取って使っているということです。  競技会場は、県内幅広く競技会場が設けられていますが、一方で、京都府、大阪市、それから兵庫県神戸市の一部も競技会場になっています。また、静岡県伊豆市、袋井市も会場になっています。これらは、全てホームページに出ていますので、どんな競技がどこで行われるのか、ほぼ決まっていることかと思います。  選手村については、メイン選手村は名古屋競馬場跡地に整備される予定です。そして、その後、後利用施設が造られていくわけですが、後利用施設の一部をメイン選手村として一時使用しようということであります。一時使用できない選手村の施設に関しては、仮設で整備していくことになります。もちろん、メイン選手村から離れた、とてもじゃないけど45分でのアクセスが不可能な離れたところに関しては、ホテルや公共施設を利用するなど選手村は分散されるということになります。ですから、現在、名古屋競馬場として使われていますが、この名古屋競馬場が2026年には選手村として使われます。そして、全部選手村の施設として造られるわけではなくて、その後、後利用として使われますので、後利用として使う施設として整備してしまうものが一部あります。ここの施設はそのまま後利用の施設として継続利用されますが、一方で、後利用として使えない施設については仮設されて、これらは、後に解体されるということになります。もちろん、その部分については新設であり、大事です。選手村をいかに運営していくのかがアジア大会を成功させるためには不可欠ですが、まちづくりという観点では、やはり仮設した施設の後利用が一番大事で、選手村としてアジア大会が終わった後、この地区にどういう施設を造るべきかをしっかり考えておかないといけません。したがって、それを基本構想ということで事前に描いていくということになります。その描いたものが、アジア競技大会選手村後利用基本構想ということになります。これは行政側でエリアの特徴、あるいは将来の愛知県の姿、そういったものを踏まえながらどうあるべきかを描いたものになります。  経緯としては、ほとんど話したとおりです。競馬場が弥富市に移転され、そしてアジア競技大会のメイン会場になる。その後、大会後もレガシーとして有効活用されるように、大会を契機としたまちづくりも併せて進めることが重要です。その際には、行政で全部やるという時代ではありません。やはり、民間の活力を導入して、地域の拠点として都市機能を誘導していこうと考えています。活力、アイデア、もちろん財力もそうかもしれません。そういったものを使いながら都市の機能を誘導していこうということで、愛知県と名古屋市で基本構想を2020年3月に策定しています。ちなみに、策定するに当たって、もちろん庁内でいろいろ議論してもらっていますが、アジア競技大会選手村後利用基本構想有識者懇談会というのを、この約1年間で3回開催し、中身の検討をしていきました。これが計画地になります。こちらが広域の名古屋市全体の地図です。ここに名古屋港ガーデン埠頭で、この辺に名古屋駅があります。そして熱田神宮がこの辺にあります。ここの部分に名古屋競馬場、あおなみ線の名古屋競馬場前駅のすぐ隣にあります。拡大したものがここです。ここに中川運河が通っていまして、中川運河のところにできたみなとアクルスがここにあります。それから地下鉄名城線、東海通が通って、これが環状線です。このように見ると、交通の便が非常にいいところで、また、港もすぐ近く、名古屋駅にも直行で約17分であり、結構便利なところです。  そして、この基本構想のコンセプトが、安心と交流を生み出す次世代拠点です。新しいライフスタイルが始まる、スマートビレッジという先を見た絵を描いています。そして、五つの姿を描きました。GO ACTIVE、GO ASIA、GO GREEN、GO FUN、GO FUTUREの五つの姿を描いています。中身は、スポーツにより健康に暮らし、元気になるまち。多様な人々が国内外から集い、グローバルに成長できるまち。憩いやつどいの場があり、安全・安心でエコな暮らしが実現するまち。にぎわいがうまれ都市の魅力が高まり、国内外に誇れる楽しいまち。そして、未来を身近に感じ、イノベーションが創出されるまちの五つです。これらが、港北のエリア、競馬場の跡地の地域特性、そして将来のこの地区を展望したときに描けるまちの姿です。  これらの姿を実現するために、どのような機能がこの跡地に来ればいいだろうかをまとめてみたのが次です。こんなのが来るといいなということで、にぎわい、学び、憩い、住まいとなっています。それぞれ先ほど言ったGO ACTIVE、GO ASIAとかがどういう関わりがあるかということでまとめたものです。例えば、商業施設とか体育館、アリーナ、あるいは学校とか公園とか、あるいは集合住宅等々ということで、例として示しています。  具体的に、その20ヘクタールの土地にどんな感じで配置されるだろうかを考えたのがこれです。この東海通環状線に面したところににぎわいだろうねと。そしてそこから外れたところに住まい、あるいはここの南のほうに学び、そして真ん中に憩いだろうかということを構想として想定しているというものです。このような行政側としてあるべき姿を構想という形で描いたということです。ただ実際は、この構想を描くに当たりいろいろ葛藤もありました。やはり夢としましては、今描いたように新しいライフスタイルをこの跡地から生み出したい。あるいは港北エリア、今現在の港北エリアのイメージ、正直に言えば決していいものではないかもしれない。それをリブランディングしていきたい。例えば、リブランディングという意味では、にぎわいの拠点にしたい、景観もよくしたい、あるいはここの港に近い特性を生かして国際化といったようなグローバルな匂いも醸し出したい。そして、モノづくり産業が多いところです。その地場産業を生かしながら最先端技術を使ってリノベーションの拠点にもしたいよねと。一方で、この港に近いというところの地盤が低いこともありまして、防災の意識を高めて、あるいは災害対応力を向上させようよ、こんな夢を描いていたわけです。ただ現状は、もっともっと現実的に見てみましょうと。これはどこからとは言いませんが、この構想有識者懇談会で出てきた意見だと思っていますが、ここは産業集積地だし、幹線道路の沿線だし、港の好アクセス、さらに雇用確保も容易だとなれば、当然産業的な利用でしょうという声も出てきたわけです。一番簡単に言えば、これだけ交通のアクセスがあって、すぐ後ろに工場もいっぱいあるわけですが、例えば、物流施設だったら十分使えるかもしれないという声もありました。その現実と夢のはざまでいろいろ検討した中で、今言ってきた構想が出来上がったということです。  そして構想を描いたわけですが、その構想に沿った形で、果たして本当に民間の人々がいい提案をしてくれるだろうかというのが、私もはじめ事務局もきっとすごく心配していたところではないかと思います。そこで、そのような心配を抱えながら、アジア競技大会選手村後利用事業の結果、採択が決まりました。安心しました。では、その採択の内容はどうなんだろうかということで御紹介したいと思います。  まずは、後利用事業者募集の概要です。先ほどの構想に基づきまして、大会後のまちづくりに寄与する具体的な後利用事業を実施する民間事業者を募集しました。公募型プロポーザル方式により募集を行いまして、契約候補事業者1社を2021年6月、つい先頃決定したということです。候補者Aと候補者Bの2社からの提案がありまして、中部電力株式会社を代表法人とする候補者、企業体がこの提案の採択に至りました。  次に、この提案内容を今から紹介したいと思います。グランドコンセプトはウエルネス・アソシエーションです。これには結構いいことが書いてありまして、目指すまちの姿、多様な人々がつながり、お互い助け合いながら社会課題を解決し、共に幸せを育む、多様な人々が互いに助け合う、そして、最先端の技術やサービスに見守られ健康で安全・安心に暮らす持続可能なまち。そして、港北エリアの魅力を引き出すきっかけとなるということで、先ほど我々が描いた構想に沿った形での姿を描いてもらっています。そして、アジア競技大会のレガシーということで、スポーツを通じた健康や幸せの実現は当然でしょうと、アジア競技大会の実現後ですから。加えて、大会運営で培った地域の人々や企業が協力し合って助け合うWA、この助け合うWAこそが真のレガシーだと、ここに価値を見いだしたわけです。そして、それがこの右側にありますWAという形で描かれています。
     こういう提案で何が大事かと言いますと、もちろん何が整備されるとか、どう使われるとか、あるいは交通処理がどうされるかってもちろん大事ですが、一番重要なのはコンセプトだと思っています。このコンセプトは、ハードの整備以上に、この地域で暮らす人たちの生活あるいは価値観を描いていて、それをこの新しいまちでつくり出そうとしています。ここの提案というのがよかったのではないかと思っています。  そして、このウエルネス・アソシエーションを支える七つの要素ということで、七つあります。七つの要素で、先ほどのWAを支えようというようなコンセプトになっています。実際には、この七つの要素ごとにどんなことがこの地区でできるかということを提案してもらっています。  続きまして、ゾーン構成ということで、先ほどの競馬場跡地のエリアがどんな形で使われるかというものの提案内容になっています。オレンジ色のところがにぎわいゾーンとなっています。そして、ブルーが住まいゾーン、グリーンが学びゾーン、そして真ん中に憩いゾーンがあって、ここは場外馬券売場ということになっています。大きくはもともと構想に描いたような形でのエリアの使い方、ほぼ似たような形でのエリアの使い方で提案してもらっています。  それぞれのゾーンでどのような施設、機能がくるのかについてでありますが、まず、にぎわいゾーンです。生活を豊かにする複合商業施設をここに呼び込もうということになっています。具体的には、大型商業施設、それから別棟の商業施設が13棟、多業種にわたるテナント構成、これを見ますとスーパー、ドラッグストア、生活雑貨、スポーツ系、アウトドア系、カフェ、レストランということで、やはりアジア競技大会後ということで、スポーツ、アウトドア系を認識してもらっているということです。  続いて学びゾーンです。何が来るのかといいますと大学です。大学に付随するスポーツ施設、さらに大学とは別にスポーツ施設が来ます。これは多分スポーツクラブです。そして、幼稚園です。面白い組合せです。そして留学生寮ということになり、留学生寮は、やはりアクセスが便利だということもあります。実際に、この名古屋地方に来る留学生は多いですが、その留学生の宿舎が足りないということもあります。そういったところの受皿になるということです。  憩いゾーンは防災中央公園、さらにジョギングコースということで、全長1.2キロメートルのジョギングコースを提案してもらっています。  そして一番多いのが住まいゾーンです。まずは複合の福祉施設をここに呼ぼうと。それから農園、面白いですよね。福祉施設と農園ということで、既存の市街化区域のところに福祉施設を持って来ようとすると、なかなか農園を確保するのは難しいと思います。このように、ゼロからの提案なので、農園も計画的に配置できるということだと思います。実際には中身は有料老人ホーム、それから放課後デイサービス等々が提案されるとともに、障害者グループホームも提案されています。もちろん戸建て住宅と分譲マンションがあります。さらに医療モール、クリニックモール、このクリニックモールには面白いのがありまして、セントラルキッチンということで、ちゃんと700人分のキッチンも作ろうと。それからレストランも提案されています。  これが全体のイメージ図です。こっちが競馬場の駅です。あおなみ線がこう流れていまして、こっちが名古屋港、南のほうです。ですから、北西から見下ろした形になります。この辺が大学で、大学のグラウンドがあります。戸建て、マンション、商業施設、そして、東海通に面した別棟の商業施設という配置になっています。そして、真ん中に防災公園、ちなみにこれは骨格道路ということで行政のほうで整備する道路ということになります。  一個一個の施設の中身を見ましょう。これはにぎわいゾーンに造られる商業施設です。複合型の商業施設になります。これは北東から見たもので、東海通がここで、東海道のほうから見ているという形になると思います。ここは面白い構造をしています、自然に上に上がっていくような、自然に屋上庭園に上がれるようななだらかな階段で、上のほうに上がっていける構造になっています。それから、これは東海通に面した店舗の絵です。これは、こういう形で、東海通を多くの人々が行き交うような姿が実現できたらすばらしいことだなと思っています。  にぎわいゾーンの導入企業としては、複合商業施設、それから地元のニーズに応える食品スーパー、多世代の人々の学びや体験を支援する施設、スポーツ関連、アジアをテーマにしたゾーンの設置、そして、多彩なイベントの開催や、エンターテインメントを演出していくということです。  続いて、学びゾーンです。まず、図面を見てもらうと、これは大学です。ここに、いわゆる大学の建物があります。そしてこれはテニスコートです。ここはテニスコートで、野球場、そしてサッカー場、それから武道館という形になっています。この規模の大学がここに新しくできるということになります。そして、これは幼稚園です。幼稚園が来て、地元の幼稚園をここに呼び込むそうです。そして、ここが幼稚園のグラウンド、幼稚園児はそのまま防災公園にも出ていけるというようなコンセプトだそうです。そしてここが農園かな、レストランかもしれません。そしてスポーツ施設、それから留学生寮です。ここに留学生寮という形で提案してもらっています。  そして、こういった施設があるときに、また後でも話しますが、普通だと道路が抜けていきます。そうすると、そこに無用な通過交通が入ってくることになりますが、今回の提案では、残念ながら骨格道路には車が入ってきますが、そのほかについては無用な車は入らないような工夫がされています。  学びゾーンです。ここは先ほど言いました幼稚園です。幼稚園がここにあって、園児がここで遊ぶことになります。すぐ隣には大学です。ここは防災公園で、一般の人々が集う空間ということになります。学びゾーンでは、大学、幼稚園、留学生寮、スポーツ施設があり、そして、大学は福祉系大学、学校法人同朋学園です。福祉系大学が来るということで、すぐ横にできる福祉施設や高齢者福祉施設との連携、あるいは幼稚園との連携が十分に描けるという組合せになっているところが特徴的かと思います。  続きまして、憩いゾーンです。憩いゾーンは防災公園がありまして、ここに大きな階段ができています。そして、空中で商業施設と結ばれています。ここは、階段で2メートルほど地盤高を上げるそうです。これは水害に対する対策です。そして、2メートル高いところに集合住宅ができる。エリアマネジメントの拠点もここにできるそうです。それからここも丘になっています。これも水害から身を守ることができるような場所になるのではと思います。これが先ほど見た大きな階段、ここにステージもできまして、いろんな催しが予定されることでしょう。そして、この階段も、様々な使い方が行われて、ここを拠点ににぎわいが生まれることが期待できるというものです。なお、あくまでも提案であり、実現するかどうかは別です。この実現に向けて、いろんな法規制等々をクリアしないといけないと思いますので、そのときにはぜひ委員の協力もお願いしたいと思います。それから、憩いゾーンには桜道ができます。見てください、車は走りません、自転車と歩行者だけです。マイクロモビリティなんかも来ますが、こんな空間ができる、なんて豊かなんだと思います。憩いゾーンは中央公園をはじめとしたパブリックスペースで、憩い空間とジョギングコースということになります。  そして、住まいゾーンです。これは先ほども言いましたが、戸建て住宅、それから集合住宅、マンションです。スマートウエルネスマンションですから、いろんなセンサー等々が入っていることになります。そして、複合型の福祉施設、農園ということになっています。これがマンションで、本当に一例だと思いますが、こんな形に造られるということです。それから農園で、農園があってすぐ横に複合型福祉施設があって、これは多分レストランです。この農園で取れたものを食材として出す。そして、これはセントラルキッチンにもなって、この地域の人々、あるいは子ども食堂なんかとしても使われるということです。住まいゾーンの導入機能、スマートウエルネスマンション、先ほど言いました、スマートウエルネスハウスということ、体にも環境にも優しい住まい、エネルギー、生活、健康が見える住まい、防犯・防災機能を強化した住まい、ホームIoTを活用した快適、便利な住まいですので、ここにできる住まいは最先端で、今とは違うIoTを駆使したような家になるということです。さらに、複合型施設、まちのつながりを紡ぐ最先端の複合施設、ソーシャルファームとなるレストラン、それから農園です。それから当然、IoT、ICTを活用した先進的福祉サービスということになっています。  この提案でいいなと思った一つがこれです。それぞれゾーン間でWAが考えられています。大学は先ほども少し話しましたが、福祉施設にボランティアへ行きます。そうすると、そこで地域通貨、地域ポイントを発行します。その地域ポイントで大学生は先ほどの商業施設で買物ができる。地域の中で循環する仕組みをつくり上げようとしています。そして、幼稚園では子ども食堂を開設し、幼稚園児は高齢者の福祉施設に行っておじいちゃん、おばあちゃんたちと遊びます。それで、おじいちゃん、おばあちゃんたちが隣の農園で作物を作り、その作物を今度は子ども食堂に提供します。また、商業施設は生ごみを堆肥化して、それを農園の堆肥として使ってもらい、さらに食品ロスを少なくするため、子ども食堂にも食料を提供していこうという形で、それぞれの施設に、それぞれの役割、そしてつながりを考えているというものです。  空間計画、先ほどのようなゾーニングがありました。そして、東西南北それぞれ入口があり、入口から真ん中の憩いの空間まで動線を描きます。その後、その動線上に空間を配置しまして、その空いた場所に施設を建てるという形での提案になっています。実際に、これが実際の入口で、白い丸や動線が描かれており、その途中に空間があって、そのほかのところに施設が配置されています。これも繰り返しになりますが、先ほどの絵はあおなみ線の競馬場前駅からまちの憩いの広場に行くところへの入口となっています。それから、これは真ん中にありまして、全部の動線がつながってくるところです。さらに、公園と商業施設の大きな階段に広場があるということです。  特徴的な提案ということで、幾つもあるのですが、面白いなということで挙げさせてもらいます。まずは先端的なエネルギーマネジメントシステムということで、もちろん再生可能エネルギー、下水熱利用、それから、先ほどあった生ごみを利用したメタン発酵バイオマスプラントなんかも提案されています。そして、ICT、IoT活用で情報銀行も運用しようとか、あるいは、ここに住む人々がバイタルデータを提供して、その代わりにヘルスケア、先進福祉サービスを受けられるような仕組みを考えています。当然、スマート街灯によって防犯を見守り、あるいは災害の検知も可能にしています。  それから、包摂性、循環性ということで、電動パーソナルモビリティーのシェアリングサービスということで、この地区の中は足腰の悪い人も移動が容易になるような仕組みです。  さらに、愛知県産木材を活用して木質化を進めようと、最大で1,490トンの木材を使おうということで、地元の産業の貢献も検討してもらっています。  交通に関してはたくさんあります。私が専門ということもあるのですが、いい提案がいっぱいあります。また見てもらえればと思いますが、注目は新しい交通ということで、マイクロモビリティあるいはオンデマンドといったものの導入、さらには、周辺の施設と結びましょうという提案をしてもらっています。ただこれは、中部電力株式会社だけで実現できるものではありませんので、既存の交通事業者とぜひ連携して、この提案を実現してもらう必要があると思っています。  それから、空き家、遊休地へショップ、休憩施設、アーティスト作品展示を行いまして、歩くのが楽しくなるような空間にしていきます。そして、中川運河の活性化に向けても連携を取っていくということで、エリアの中だけではなく外にも目を向けた提案になっています。  また、エリアマネジメント、先ほどの地域ポイントもそうですが、あるいはソーシャルファームの運用等々もそうかもしれません。様々なものをエリアマネジメント会社としてやってもらう必要があって、それの提案をしてもらっています。防災拠点としてのエリアマネジメントもやってもらえるということなので、ここも本当に期待したいところです。  このような今回の提案を中部電力株式会社からもらいましたが、実はこのエリア全体、港北エリアと言っていますが、港北エリア全体でも名古屋市のほうで将来ビジョンを描いています。これと全く違う絵を描かれたらそれはそれで困るということですが、その中身を見たいと思います。  港北エリア、先ほどこの辺はもう説明しましたが、アクセスがいいよねと、いろんなものがあるよねと、それから地域ブランドを新しくつくらないといけないよねといったようなことから、名古屋市で将来ビジョンを2020年10月に策定しています。ここでも港北エリアまちづくり有識者懇談会というのをつくって、3回検討しました。私もこれをお手伝いさせてもらったということになります。港北エリアといいますと、ちょっと広い範囲になります。ここは競馬場跡地でありますが、それよりも広い範囲、ここ全体のまちづくりの方向性を見ていこうというものです。理念は、スマートオアシス港北、運河と緑が育む新たなライフスタイルの創造ということで、先ほども次世代とか新たなという話がありましたが、やはり名古屋市でも新たなライフスタイルをここから生んでいこうと。そして、運河と緑で育んでいこうという、そういう絵を描いているということになります。  方針としては、運河のまち、にぎわい、そして誇れるということで、地域の文化をこんな形で方針を示しています。将来の土地利用のイメージということで、競馬場跡地を中心に拠点がそれぞれ配置されています。そして、運河あるいは通りで結ばれる、そして憩いの場所の緑が配置されるというような形になっています。基本的な考え方としては、既成市街地は地域交流の活性化でにぎわい、競馬場跡地周辺はスポーツ、交流、健康増進、住宅・工場地は職住連携、安全・安心なまち、そして拠点や鉄道駅は回遊性向上、中川運河は土地利用転換、プロムナード整備、景観形成、そして、港北運河、荒子川運河にはシンボル軸として整備していこうと。これらは、先ほどの事業者からの提案と結構合っている。こちらの考え方に事業者の提案が沿った形になっているということが分かるかと思います。  イメージとしてはこんな感じで、みなとアクルス、そしてここ荒子川公園ですが、ここの軸を整備していきましょうとか、プロムナードを整備していきましょうとか、あるいは先ほどの選手村の跡地と駅あるいは荒子川公園、そしてみなとアクルスとの連携を強めましょうと。これはもう民間企業ではできませんので、行政のほうでしっかりとインフラのほうの整備を進めていかないといけないと思います。  後利用を契機とした交通まちづくり、今回この形で後利用の内容が固まっていったわけですが、これを契機に、やはり交通まちづくり、エリア全体でのまちづくりを進めてもらいたい。そして、この港北エリアから名古屋全体、もっといえば愛知県全体に波及していくような、そんな広がりを見せていく必要があるということです。  交通まちづくりとは聞き慣れない言葉だということで、冒頭で話しましたが、こんな意味です、交通と都市づくり。この都市をまちと呼んでもらってもいいかと思います。すなわち、都市の発展というのは当然ですが、道路網や公共交通網と深い関係があります。この両方を同時に考えていく必要があるでしょう。あるいは暮らしやすさというのは、当然ですが施設等々のアクセス性、行きやすさと関係があります。  したがって、交通とまち、都市づくりというのは表裏一体といいますか、車の両輪でありますので、両方一緒に考えないといけない。もちろん都市計画ということで、都市から考える視点もありますが、交通から都市の在り方を考えていこう、これが交通まちづくりです。もう一つ言いますと、実は皆さんの身近な交通というのは問題があったりします。それと、まちづくり活動というのを考えてみましょうというものです。例えば、家への道は抜け道ばっかりあって危なくてしようがない、これは地域で話し合って、その道路をどうするのだろうか、一方通行だろうか、時間規制だろうか、あるいはバイパス整備してもらうのだろうか、こんなことがあるでしょう。路上駐車、放置自転車がいっぱいで大変だ、これも地域の協力なくして解決はありません。あるいは、最近はもう年を取ってなかなか車で移動も難しいな、バスに乗りたいな、でもバスはないな、民間のバスはなかなか走ってくれない、では、コミュニティーバスを走らせようか、こんなことも多いでしょう。こういった地域の人々の活動によって解決する身近な交通の問題もあります。これらを含めて交通と連携した都市計画、都市整備あるいは交通をとおしたまちづくり活動、コミュニティー形成、こういったものを交通まちづくりと呼びまして、いずれも住民、市民との協働が不可欠であるというものです。この交通まちづくりを、アジア大会選手村後利用を契機として広げていこうということです。  自動車普及の実態ということです。これも委員は御存じだと思います。すごい勢いで、右肩上がりで増えてきています。30年前は何と今の半分しか車がなかったのです。ですから、30年前の道路の状況を頭に思い浮かべられますか。今みたいな状況とは全く違う状況だったわけですが、決して悪いことではありません。車は便利です。好きなときに好きなところへ、天気も気にしなくていい、家族や友達と移動できる、音楽も聞ける、もうこの言葉、死語ですが、いつかはクラウンなんて言葉もあったりしたわけです。ところが、死語なのです。学生に聞いても知っている学生は80人ぐらいの受講生で2人ぐらいでした。一方で、自動車が引き起こす問題ってありますかとか、あるいは自動車を利用できない人たちってどうでしょうかということも考えないといけない。自動車依存が招いた都市の問題ということで、モータリゼーション、我々の生活に車が浸透してきて道路を整備します。道路を整備すると便利になりますので、さらに車が増えて自動車中心の生活になるのですが、車が増えますからまた渋滞、そしたらまた道路を造ります。道路を造ると便利になって、また車が増えということで、これが一つ。もちろん所得向上もあるのですが、車がどんどん増えていって便利になったという構図です。一方で、何か問題はなかっただろうかと。生活道路に車で進入してしまいました、渋滞していますから。そして、家の周りの道路が大変危険になってしまった。あるいは車が利用できるようになりましたので、どこにでも行けるようになった結果、都市がスプロール、スプロールというのは無秩序な郊外化といいますか、郊外へ街ができてしまいました。そして郊外型の店舗ができて、逆に気がつかないうちに中心市街地、昔からの街の中心がどんどん衰退してしまっていた。そこは空き地になってしまい、空き地から駐車場、車で来ないといけないから車で来られるように駐車場にしようといったらもっと衰退していって、もっとみんな外へ行ってしまったという構図。そして、当然、車の利用が多いので公共交通の利用者は減っていきます。運賃収入が減ったのでサービス水準を下げますと、もっと公共交通が減って、どんどんサービスが悪くなって、結局路線がなくなってしまうということで、実は車が便利になったその裏では、中心市街地の元気がなくなってしまったり、事故が増えたり、あるいはバスがなくなってしまったりということが起きているわけです。さらに、最近ですと地球温暖化の問題、そして交通困難者、免許を持っていない人たちのQOLの低下といったものも大きな問題になっています。自動車依存というのは、いろいろ問題があるということです。とはいえ、自動車はやっぱり便利ですし、何よりこの愛知県において自動車というのは産業構造とすごく関連がある。だから完全に悪者にすることはできません。そこで、自動車と公共交通の役割分担、ここを明確にしようよと。それで、自動車で便利に暮らす郊外、これもいいでしょう。あるいは自動車がなくても生活できる中心部、ここを描かないといけない。そして郊外から中心部へアクセスが便利なようにと。ここを実現するのが交通まちづくりとなります。どこでも車というのを見直そうということです。愛知県ではエコモビリティーということで、こういう活動を推進しております。賢いクルマの使い方ということですから、やはりそれも一つの交通まちづくりにつながるということです。  そして、これはもう大きな流れです。都市のコンパクト化プラス公共交通のネットワークをつなごうということです。これは、かなり中長期の計画になっていきます。人口が減少していく中ではコンパクトプラスネットワークは不可欠だと言われています。都市のコンパクト化、インフラ維持、コストの削減という意味もあります。これはもう早急に進めていかないといけないでしょう。そして、公共交通を軸とした交通づくりも進めていく。同時に中心市街地を魅力向上していかない限りコンパクトにしても意味がないです。どこか元気なところがないといけないということです。名古屋市であれば、名古屋駅あるいは栄といったにぎわっている場所があります。でも地方都市に行ったときに、ここの中心市街地の魅力向上というのが大きな課題になっているかと思います。そして住宅地も一緒です、住宅地も同じようにということで。  この両方で共通して言えるのは、歩いて暮らせる空間づくりということになります。この歩行につきまして、ボゴタの元市長さんのエンリケ・ペニャロサさんがすばらしいこと言っておりますので、ちょっと見ていただければと思います。なぜバスが生きた民主主義の理由かということですが、今、話の中に出てきましたが、発展途上国では歩行者と自動車が対立している、そして、自動車は一流市民で歩行者は三流市民として扱われている、これが発展途上国だと。それは未熟な民主主義だと言っています。では、先進的な都市って何だというと、地下鉄や高速道路があるのが先進的な都市ではないと、何が先進的といったら歩道がきちんとある都市が先進的な都市だと言っています。その中で、都市で最も大切な資産というのは、TEDというインターネットの番組ですけど、そこで言っておりますが、ダイヤモンドとか何かが取れるなんていうのは大事じゃないと、道路のスペースが一番大事だと。そして、これをどう配分するかというのが一番重要で、歩行者、自転車、公共交通に公平に配分しているかどうか、これが民主主義だというふうに言っているわけです。この話を聞いたときに、日本ってどうなのだろう、愛知県ってどうなのだろうと思わざるを得なくて、発展途上国なんじゃないかなともいえるのではないかと思っています。いずれにしても、歩いている人でも自転車に乗っている人でも同じ権利がある。同じように扱われないといけない。この原理、原則、大変重要な話だったなと思っています。  そして、歩いて暮らせる空間づくりってやっぱり必要です。そして、この後利用から歩いて暮らせる空間づくりをどんどん広げていく必要があります。それで、自動車にはその場合には少しの我慢をしてもらうという必要があります。町なかの道路空間の使い方を変革していく、すなわち人のための街路、ハードとして街路を造っていかないといけません。安全で安心、気持ちよく歩ける、楽しく歩ける、ウォーカブルな空間をつくる。そして、にぎわいを生む広場。さらには、歩くだけではさすがに疲れちゃいます。お年寄りになるとそんなに歩けるわけじゃないので、回遊性を向上するという仕組みも必要でしょうということで、そこに来るのに公共交通も充実していないといけないということで、公共交通を充実するアメと自動車に少しだけ我慢してもらうムチ、このバランスをしっかりと取っていかないといけないということです。  ここの人のための街路、回遊性の向上ということで、あるいは公共交通の充実ということで、話をさせてもらいます。これは、ロンドンのトラファルガースクエアというところです。これがナショナルギャラリーですが、もともとはこのナショナルギャラリーとトラファルガースクエアの間は、車やバスが行き交う道路でした。したがって、ここに多くの人が来るのですが、ここの大きなトラファルガースクエアに行き来することはできなかったんです。それを大きく変えました。この塔があるので分かるかと思いますが、これがナショナルギャラリー、こっちがトラファルガースクエア、ここにいっぱいバスや車が通っていたのですが、歩行者専用に変えちゃいました。結果、安全で安心して歩ける空間、残念ながら雨だったのでそんなに人はいませんが、そうすると、ここにいろんなキッチンカーが出たり屋台が出たり、あるいはパントマイムが出たりなんていう使い方ができるわけです。ロンドンは、今急激に歩行者のための空間がつくられています。ここ見てのとおり、もともとは普通の交差点でした。そこを一段マウントアップして、歩行者にとってバリアフリーな空間にするとともに、信号を止めちゃいました。その代わり歩行者優先で、車は注意しながら行き交う道路に変えています。これも歩道をそのまま、車椅子の人も何の苦もなく、フラットのまま渡れるような歩道です。ただし、車はここを乗り上げて超えないといけませんから、当然減速をするということで、歩行者のバリアフリー、そしてスムーズな横断、一方で、車の減速ということで一石三鳥ぐらいが実現しているものです。ああいうのは至るところにあります。普通の横断歩道のところも真ん中に交通島があって、高齢の人が最後まで渡り切れずに途中でひかれるという事故が多いですが、この場合なら大丈夫です。少しだけ渡ればここで安全に待つことができるわけです。これらも至るところにあります。わざわざ島を出して真ん中に安全島をつくり、渡る距離を極力短く、また車からすると狭くなっていますから、車の速度が落ちます。こういった仕組みです。これによって、歩行者にとって安全な環境ができるというものです。  車止めも、これで普通の車が入ってこないので安心ですが、緊急車両をどうするんだという話があります。これ、動くのです。じっと見ていると、緊急車両が来ると自然に下がっていきますので、これならば許可車だけは通行できて、それ以外の車を止めることができるというのもあります。  回遊性の向上という意味では世界中で導入されています。シェアサイクルで、ドック型です。ドックで借りてドックに返さないといけませんが、今は乗り捨て型がたくさん入ってきています。放置自転車という問題はあります。あと、日本の歩道では自転車が置かれたら邪魔だろうという問題もありますが、こういった乗り捨て型の乗り物もあり得るということです。さらに、この辺のシェアスクーターの普及が非常に速いスピードで進んでいると思っています。安全に対する懸念はまだあります。それから日本の場合には規制がないというのか、対象になっていないので走ることができません。当然乗り捨てへの賛否はあるのですが、これはスイスです。スイスでは、サラリーマンの人が、このような形で颯爽としてシェアスクーターで通っています。2人乗りがいいのかどうか知りませんが、2人乗りで楽しみながらも使えます。ただし、乗り捨てですので、こんな橋の真ん中に置いてあったりするという問題もあります。オーストラリアのブリスベンです。ブリスベンではヘルメットの着用義務がありますので、シェアスクーターと共にヘルメットも置いてあります。当然、場所が偏りますので、それを回収する人もいることもありますが、いずれにしても、日本ではこのシェアスクーターという乗り物は車両上の規定がありません。免許の規定もありません。走行空間の規定もない。したがって、走ることができていません。ただ、世界的に見ると、これはどんどん走ってきているので、この対応の遅さを何とかしないといけないのではと思っています。  そして、公共交通の充実です。BRTというのがありまして、バス・ラピッド・トランジットと言います。いわゆる電車ですが、車両だけがバスだと考えてください。したがって、ゲートがあります。ゲートがあって改札があって、今ここに止まっているのは電車のように思えますが、実はバスなんです。このBRTの走るところですが、こんな道路です。BRT専用の空間がありますから、BRTは何の渋滞にも合うことなく走っていけるわけです。したがって、みんなBRTを使おうよということになります。バス停もこのようなバス停になっている。だから、発想が全然違います。ちなみに日本ではこれは実現できません。先ほど言いました法制度等々の問題があります。大変すごい渋滞のバンコクでも、こんなに渋滞しています。こんなに渋滞して全く動かないところを、1車線つくってBRTが走ってくる。こんなことをやっているわけです。これを見ると、これだったらバスのほうがいいねとバスに乗り換えてくれて、たくさんバスに乗り換えてくれれば、多分連接バスになっていくでしょう。そしたら、渋滞の緩和にも役に立つというものです。  それから、バスでの情報提供というのも重要だなと思っていまして、愛知県のITS推進協議会から、研究助成をもらっていますので、少し報告をさせてもらおうと思っています。このようなところとの共同研究ですが、何を狙ったかというと、スマホがなくても情報がもらえるようなものをつくろう、田んぼの真ん中でも情報がもらえるようなものをつくりたいというものです。そのために、安価な運用コストでLPWAというのを使って太陽電池で稼働する仕組み、さらに、災害時の情報発信もここのバス停で行おうと。実は、バス停は街の中にすごくたくさんあります。空白地域と言いますけど、バス停から500メートル圏内に含まれるのは、自治体によって違いますが、90パーセントとか80パーセントぐらいの人たちはバス停から500メートル圏内に入っています。ということは、ここで情報提供したら、誰でもほとんどの人が見られるというものです。これは電子ペーパーですので、今動いたの、分かりますでしょうか。ここが書き換わっています。電子ペーパーですので派手さはありませんが、この中身が変わっているというものです。これによって、簡単に言うと、おばあちゃんでも、バス停にいれば、バスが遅れているというのが分かる。スマートフォンが要らないよというものです。さらに、災害が起きたとき、これ行政の人が多分操作するだろう端末ですが、送りますと、今バス停の情報だったのが災害発生、ちょっと津波ですが、津波が発生した、すぐにどこに逃げてくださいといった情報提供もできるというものです。まちづくりの効果ということで、これはアメリカですとポートランドが有名ですが、その効果もありますよということでまた見ておいていただければと思います。  最後に、この後利用に対しての期待ということで、今回、後利用区域に関しては先ほど話しましたが、通過交通の排除の仕組みになっています。骨格道路は別ですが、非常にいい提案をしてもらっていると思っています。さらに、豊かな歩行空間、マイクロモビリティの導入も提案してもらっています。そして、周辺とのアクセス、名古屋市交通局との連携や商業施設の接続というのも提案してもらっています。中川運河、荒子川公園のアクセスも言及してもらっています。さらに、FCバス、FCV、あるいはEVのオンデマンドも導入しましょう、シェアサイクルもエリアに入れていこうという提案をもらっています。そして、にぎわい創出としては東海通ですが、歩道に面した店舗なんかもできています。普通、歩道側は駐車場になってしまいますが、ちゃんと歩道に面した店舗です。そして、空き家や遊休地をアートとしても活用してもらうということで、大変いい提案をもらっています。そんな中で重要なのは、選手村後利用から港北エリアで波及できるかどうかです。そのためには、歩行空間の整備や自転車空間の走行空間の整備、これは行政がやっていかないといけないでしょう。あるいは周辺の公共交通の充実、これも名古屋で言えば名古屋市交通局がやっていかないといけない。そしてにぎわいの面的広がり、この活動に関しては民間の人々にやってもらうということで、今回、後利用で事業者が決まりましたが、これはスタートです。この後、今度はエリアとして、あるいはこの効果を愛知県全域に波及させていくためには、行政が果たすべき役割は非常に大きいと思っています。これ次第で、このエリアが生きるか死ぬかが決まってくるかと思いますので、ぜひこれからも行政の人々あるいは県会議員の皆様にも、実現に向かってぜひとも御協力をお願いしたいと思っています。  私からの説明は終了とさせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。 2: (主な質疑) 【いなもと和仁委員】  中川運河の近くには名古屋環状1号線と名四国道が通っており、トラックの交通量が非常に多い。また、中川運河の東には大型商業施設があり、土日には多くの車が通っているため、周辺住民に迷惑をかけている。このような場所に大型商業施設ができたときには、より交通量が増えると考えるがどうか。 3: 【松本参考人】  新たな開発があると、当然開発場所の交通量は増えるので、現在渋滞している場所での渋滞がより激しくなることは、大きな懸念だと思う。今回の提案では、開発交通量の処理あるいは開発交通量が生まれたときに周辺に大きな影響を及ぼさないのかを検討してもらっている。あくまでも机上の計算ではあるが、多大な影響を周辺に及ぼすことはないだろうという結果になっている。しかし、名古屋環状1号線を通るトラックが非常に多いことや商業施設での渋滞が激しいことに関して、簡単には解決できないと思っている。特に、トラックなどの貨物車は、ほかの道を通ってもらうことはできないので、大局的な立地から考えていかないといけない。それにより、中長期的な計画交通まちづくりにつながっていくと思っている。例えば、これから工場の立地等あるいは建て直し等があった場合には、少し違ったところへ誘導していくことが挙げられる。また、貨物車については、違う道路を整備して、そちらへ誘導していくことも、大局的に考えていかないといけない。  大型商業施設への車に関しては、事前に大規模小売店舗立地審議会等において審査しているが、現実的には、土日にはかなりの渋滞が起きている。年中渋滞が起きている訳ではないが、地道に公共交通への手段転換を図っていくべきであり、あるべき姿に向かって、官民挙げて協力してほしい。また、乗用車に関しては、アメとムチが必要だと思っている。アメに関しては、公共交通をより便利にしていくことになるが、ムチが打てない。ムチを日本で打つために、現在、東京都では首都高速道路の料金を1,000円上乗せしている。このようなムチを思い切って打つと、急激に交通状況が変わってくると思っているが、そのことに対して住民の理解を得ることは非常に難しく、そこに熱意を持っている行政担当者や政治家などが出てこないと難しいと思う。 4: 【いなもと和仁委員】  周辺には大きなスーパーが幾つかあるが、大きな商業施設が一つできることによって、既存のスーパーに客が入らなくなることが考えられる。そのことも踏まえて開発してほしいと思うが、どのように考えるのか。 5: 【松本参考人】  そのことも大きな懸念であり、客を奪い合うという構造であれば当然そうなっていく。しかし、今回の提案では、地元住民と調整や連携する、あるいは周辺店舗と連携するという言葉が出てきていた。つまり、客を奪い合うのではなく役割分担し、連携を深めて相乗効果を生んでもらうという提案であり、期待している。 6: 【犬飼明佳委員】  港北エリアのゾーン構成を見ると、駐車場がかなり広く取ってある気がする。車で来る人が多いことを想定しているのか。また、公共交通への手段転換がされたときには、この駐車場をどのようにしていくのか。 7: 【松本参考人】  ゾーン構成における駐車場数はかなり多い。これは、現在の基準に合わせているためである。現在、駐車場はたくさんあるが、例えばカーシェアリングが進んだ場合には要らなくなる。あるいは、公共交通機関の利用が普及したりマイクロモビリティーで移動できるような空間ができたりした場合にも、駐車場は要らなくなる。そうすると、今まで駐車場であった場所は、収益を上げる施設にもなる。どのような場所になるのかは、土地所有者などが決めることだと思うが、いずれにしても、今の駐車場としての利用よりはずっといい利用になっていく。  今回の中部電力からの提案に関しては、将来どのように変わっていくのか分からないが、駐車場需要が減れば、当然良い形で利用してもらえると思う。 8: 【犬飼明佳委員】  本県は周遊ルートをつくるのが苦手であり、公共交通機関を利用した周遊ルートが示せると、車の交通量は少し減ると思う。しかし、現在、港北エリアで公共交通機関を利用して東西に動くには名古屋駅を経由しなければならず、今回の構想を機に解消してほしい。  あわせて、アジア競技大会に向けた準備も含めた話になると思うが、障害のある人々に対しての交通インフラのバリアフリー化やユニバーサルデザイン化について、東京オリンピック前には東京都で進められたという話も聞く。今回のアジア競技大会に向けて、港北エリアでのバリアフリー化やユニバーサルデザイン化について描かれているものがあれば教えてほしい。 9: 【松本参考人】  公共交通機関が不便という印象は、多くの人々が持っていると思う。現在、世界的にはモビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)という動きがあり、交通手段をパッケージで提供して、そのパッケージを使えるようにするというものである。パッケージには、タクシーやカーシェアリング、あるいはマイクロモビリティーやシェアサイクルなども入っており、それらをセットで使えるようにする。つまり、現在はバスの時刻表や電車の乗換え場所を調べているが、MaaSでは全て一体的であるので、今よりもっと気軽に公共交通機関を使えるようになるのではないかと思っている。  本年、本県でMaaSの実証実験が始まるので、その実証実験がうまくいき、県内全体で使えるようになったら、今とは違う公共交通を描けるのではないかと期待している。車の利便性には勝てないが、地球環境問題が大きく取り上げられるようになってきたこともあり、車の利用を我慢してもらうことも必要な時代になりつつあると思っている。すなわち、個人の利益最大化ではなく社会の利益最大化という行動が必要な時代になりつつあると思う。  次に、障害者の人々を含めた移動については、十分考えてもらっているが、港北エリア全体では、まだまだ不十分である。このアジア競技大会を機に、行政がしっかりとバリアフリー化やユニバーサルデザイン化を進めていくべきである。そのためには認識が重要で、行政が全て認識して、十分な予算をつけて進めていくことが大事である。 10: 【犬飼明佳委員】  東京都におけるバリアフリー化やユニバーサルデザイン化では、行政が本気にならないと進まなかったと聞いたので、部局も市と連携して進めてほしい。 11: 【水谷満信委員】  選手村後利用について、メイン選手村という言葉が後利用計画にない理由を伺う。 12: 【松本参考人】  実際はメイン選手村の計画ではないが、メイン選手村で使える施設の計画は提案してもらっている。 13: 【水谷満信委員】  後利用施設を先に作って一部を一時使用するとは思うが、アジア競技大会までに何を作っておき、アジア競技大会終了後に何を作る予定であるのか。 14: 【松本参考人】  その辺りについては本日説明を割愛したが、例えば、分譲マンションはアジア競技大会開催までに造る。そして、選手村としても使ってもらう。分譲マンションは選手村としての宿泊施設になるが、その後、分譲マンションとして使われていく。それから、大学の校舎も同じである。大学の校舎や商業施設も先に造り、選手村として使う。 15: 【アジア競技大会推進課長】  少し修正させてもらう。大学や商業施設については、民間事業者からの提案ではアジア競技大会終了後に建てると提案してもらっているので、その辺りについて、組織委員会と民間事業者の間ですり合わせて、決めていくことになると思う。 16: 【水谷満信委員】  選手村施設そのものを仮設で作ることもあるのか。 17: 【アジア競技大会推進課長】  仮設で造る建物はたくさんある。例えば、選手が泊まる住居については、民間事業者からの提案では少なかったので、そのような建物は仮設で用意しようと思っている。 18: 【水谷満信委員】  全体の宿泊施設として何人を泊める規模を計画しているのか。 19: 【アジア競技大会推進課長】  アジア競技大会での選手などの数は、1万5,000人を予定しており、そのうち1万人をこの名古屋競馬場、5,000人は豊橋市のホテルなど遠方の競技会場の近くで充てようと思っているので、基本的な目標としては1万人に入ってもらえるように検討していきたい。これから細かく計算をしていかなければならないので、それによっては多少前後すると思っている。 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...